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箆柄暦『七月の沖縄』2011

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箆柄暦『七月の沖縄』2011
2011年6月30日発行/099号

《Piratsuka Special》
しゃかり
『笑って』

BEGIN『ビギンの島唄 オモトタケオのがベスト』
TINGARA『海森彩生』
『年中カチャーシー』
第4回 沖縄国際映画祭開催決定
上原昌栄『ウチナー・ビート!』
垂見健吾写真展『新琉球人の肖像』
久万田晋『沖縄の民俗芸能論』

 

 

 

Piratsuka Special
しゃかり
しゃかりの歌が、あなたの笑顔につながりますように。

 沖縄本島中部の北谷町を拠点に県内外で活躍する「しゃかり」は、ヴォーカリストのチアキと、プロデューサー兼パーカッション奏者のカンナリによる、二人組の沖縄ポップスユニットだ。チアキの透明で伸びやかな力強い歌声と、カンナリが生み出す沖縄テイストの親しみやすいサウンド、そして歌詞に託されたポジティブなメッセージは、幅広い層から「元気をもらえる歌」と強く支持され、活動は今年で十三年目を迎える。昨年はチアキが角松敏生のプロデュースでソロアルバムを発表するなど、ユニット外の活動にも注目が集まっていたが、今年はいよいよしゃかりの活動を本格的に再開。この夏に前作から三年ぶり、八枚目となるニューアルバム『笑って』がリリースされることになった。

 今作の収録曲は、タイトル曲「笑って」とそのインストを含む全八曲のオリジナルナンバー。歌詞に目を通すと、どの曲にも「笑顔」という言葉が折り込まれており、前向きでありながらも決して押しつけたりはせず、聞き手をそっと励ますような曲が並んでいることに気づく。その理由について、作詞を主に手がけたチアキに尋ねると、柔らかな笑顔で「今回は自分のためでなく、誰かのために書いた曲が多いからかも」と答えてくれた。

「たとえばアルバムタイトルでもある『笑って』という曲は、病気を克服しようと懸命に闘っている私の親友に向けて、少しでも力になれたら…と願って書いたものなんです。今回アルバムを作るときも、まず何より彼女に元気になってもらいたくて、『笑って』を中心に全曲“笑顔”がテーマの曲にしようと決めました。私のこの思いは、ごく個人的なものではあるけれど、歌の中に“大切な人の幸せを願う強い気持ち”があれば、その思いは彼女だけでなく、より多くの方にも伝わるはず、と思ったんです。ふだん歌詞作りには苦労することが多いんですが、今回はテーマが決まっていたせいか、とてもスムーズに書けました。たぶん、去年のソロアルバム制作で、角松さんに作詞をビシビシ鍛えられたのもよかったんだはず(笑)」

 そうしてできあがった歌詞に、カンナリのメロディとアレンジを組み合わせて完成した楽曲は、サウンド面でも新たにサックスの演奏を取り入れたり、カチャーシーのリズムを一ひねりしたりなど、さまざまな工夫が施され、アルバム全体としても聞きごたえ十分の一枚に仕上がっている。レコ発ライブは七月と八月に沖縄県内、十一月に東名阪ツアーが予定されているが、チアキは「いまの自分が持てる力を最大限に出して、シンガーとしての器を広げていきたい」と意欲を見せる。

「私自身も三月の東日本大震災以降、自分の無力さを痛感させられることばかりですが、最近は“私は私にできることを精一杯やらなくては”と思うようになりました。私が全身全霊でできることといえば、やっぱり歌しかない。今回のアルバムも一曲一曲手抜きせず、一生懸命歌っています。聞いてくれた方の心の中にぴったりはまる、そんなアルバムになれたらうれしいですね」
(取材・文/高橋久未子、撮影/喜瀬守昭)
 

しゃかり ヴォーカル&三線のチアキと、プロデューサーでパーカッション担当のカンナリによる沖縄ポップスユニット。1998年にシングル「永遠に響かせたなら」でデビュー。ユニット名はチアキの生まれ育った北谷町謝苅(じゃーがる)の読み方をアレンジしたもの。

◆しゃかり『笑って』
イズム MUSISM-004
2,000円 2011/7/9発売
笑って/太陽雨/祈り/くちぐせ/海と空/同窓会/結まーる/笑って(Instrumental)